設計治療®とは？メリットや治療の流れをわかりやすく解説

「設計治療®」は、インプラント手術をより安全に、正確に行なうための治療法です。術前に綿密な治療計画を立てることにより、理想的な位置にインプラントを埋入でき、術中のリスクも軽減します。

非常に有効な治療法であるため、インプラント治療を検討している方は「設計治療®」を知っておくことをおすすめします。

この記事では、インプラントを専門に扱っているアイデンタルクリニックが、「設計治療®」を選択するメリットや、治療の流れをわかりやすく解説します。

インプラントにおける「設計治療®」とは？

「設計治療®」という用語は、アイデンタルクリニックの山田理事長が商標を取得しています。ここでは、「設計治療®」の基礎となる「ガイディッドサージェリー」について解説してから、「設計治療®」の解説を行ないます。

◇「設計治療®」の基本となる治療法「ガイディッドサージェリー」とは

「ガイディッドサージェリー」は、インプラントの埋入位置をシミュレーションしたうえで手術を行なう方法です。骨や神経の位置などのデータを術前に取得し、コンピュータ上で設計図を作成すると、理想的な位置にインプラントを埋入できます。

設計図は本来、インプラント治療を成功させるうえで非常に重要なものです。完成形をイメージできないまま手術を行なうと、術中のトラブルを招いたり、最終的な仕上がりに支障が出てしまったりするおそれがあります。

インプラント手術の正確性と安全性向上に「ガイディッドサージェリー」が有効なことは明らかですが、現状では歯科医院全体の10％程度でしか導入されていません。

◇アイデンタルクリニックが提唱する「設計治療®」とは

「設計治療®」とは、「ガイディッドサージェリー」に加え、患者様とのコミュニケーションも含め、広く設計を行なう治療方法です。

「設計治療®」では、患者様とのコミュニケーションを重要視しています。術前のカウンセリングで治療をイメージしやすくして、術後のセルフケアについて適切な説明を行ない、治療の効果を最大限にすることを目指します。

「設計治療®」を選択するメリット

現状ではあまり知られていない治療法ということもあり、「設計治療®」に不安な気持ちを抱く方も少なくないでしょう。しかし「設計治療®」を選択するメリットは多く存在します。

◇理想的な位置にインプラントを埋入できる

すでに触れているとおり、「設計治療®」の大きな特徴であり最大のメリットは、より理想的な位置にインプラントを埋入できることです。

インプラントを埋入する顎の骨は、患者様や部位によって状況が違うため、理想的な位置や深さ、角度なども患者様や部位ごとに異なります。

「設計治療®」は、事前に詳細なデータを取得し、理想的な位置を分析したうえでインプラントの埋入を実現するものです。結果的に術後の違和感を極力軽減することができます。

さらに、フリーハンドでは難しい精密性が実現できることも「設計治療®」ならではのメリットといえるでしょう。

◇手術中の患者様の負担が軽減する

「設計治療®」を採用したインプラント手術と一般的なインプラント手術との大きな違いは、事前に埋入位置が決まっているかどうかです。

埋入位置が決定している「設計治療®」では、一般的なインプラント手術のように歯肉を大きく切開する必要がありません。そのため、出血や痛み、腫れが少なく済むケースがほとんどです。

「設計治療®」は、外科治療に抵抗のある患者様の精神的・身体的負担を軽減できる治療法ともいえるでしょう。

◇インプラント手術のリスクを回避できる

多くの方が懸念するインプラント手術のリスクを回避できることも、「設計治療®」を選択する大きなメリットです。

例えば術中に起こりうる以下のようなトラブルは、インプラントの埋入位置が適切でないことが原因で起こります。

●太い血管を傷つけてしまったために大量出血する
●神経に触れてしまったために麻痺が残る

血管や神経の位置を事前に把握して埋入位置を決める「設計治療®」なら、これらのリスクを回避できます。

インプラント手術におけるリスクについては、以下の記事でも解説していますので併せて参考にしてください。

インプラント治療で起こりうるリスクとは？安全性の高いクリニックの選び方も紹介

◇手術時間を短縮できる

「設計治療®」を採用すると、一般的なインプラント手術と比べて短い時間で手術が終了します。

位置に迷うことなくインプラントを埋入できることに加え、歯肉を切開したり、それを縫い合わせたりする工程が不要で、効率的に手術が行なえるためです。綿密な設計により、使用するインプラントのサイズも術前には正確に決まっています。

なお、骨の移植手術が必要な場合など、「設計治療®」を選択しても歯肉切開が必要なケースもあります。患者様の状況によって詳しくご説明しますのでご安心ください。

◇口腔内全体の健康を長く保つことにつながる

治療期間中だけでなく、長期的な視点でも大きなメリットがあるのが「設計治療®」の魅力です。

理想的な位置にインプラントが埋入できれば、適切な形状の被せものが入り、双方が長持ちします。仮に不適切な位置にインプラントを埋入されてしまった場合、必要以上の負担がかかり、インプラントの寿命を縮めてしまうこともあります。

インプラントを適切な位置に埋入することで噛み合わせが安定すれば、残存歯の負担も軽減し、口腔内全体の健康を長く維持できます。

「設計治療®」のおもな流れ

アイデンタルクリニックで実際に行なう「設計治療®」の流れを、順を追ってご説明します。

◇歯科用CT撮影

歯科用CTで顎の骨を撮影し、3次元的なデータを取ります。

従来の歯科用レントゲンでは、正面一方向からの平面的な画像しか撮影ができませんでした。しかし、歯科用CTを用いれば、360度あらゆる方向から立体的な撮影が可能になり、顎の状態を詳細に確認可能です。

一人ひとり異なる骨の状態（幅・厚み・窪み・傾きなど）や、インプラントを埋入する部位周辺を通る血管や神経の位置などを詳細に把握できます。

◇口腔内スキャナ撮影

口腔内スキャナは、口のなかに入るほどの小さなカメラで撮影したデータを、コンピュータ上で立体的に再現できる装置です。歯に触れることなく撮影できるため、患者様の負担も最小限で済みます。

取得したデータを用いて、口腔内をあらゆる角度から検証可能です。

◇診断および手術のシミュレーション（設計図の作成）

歯科用CTで撮影したデータと口腔内スキャナで撮影したデータをコンピュータ上で合成し、今後の治療計画を立てる工程です。

インプラントを埋入する位置や深さ、角度などに加え、最終的な被せものの形状もこの時点で考えられています。

◇カウンセリング

取得したデータを医師が分析し、一人ひとりの症状に合わせた最適な治療プランをご提案します。メリットだけでなく、考えられるリスクも併せて説明し、患者様にこの先の治療に進むかを決定していただく重要な工程です。

設計治療®では、患者様とのコミュニケーションを特に大切にしています。治療に関する不安点や疑問点があれば、遠慮なくご質問ください。

◇専用ガイド（手術用テンプレート）の作製

患者様一人ひとりに合わせた専用の手術用ガイド（テンプレート）を作製します。ここまでに立てた治療計画を実現するためにオーダーメイドで作る、唯一無二の装置です。

◇インプラント埋入手術

インプラント手術の際は、専用ガイドを患者様の口腔内に装着することで理想的な埋入位置が明確にわかります。誤って深く埋入しすぎることも防げるため、安全性を保った手術が可能です。

◇被せもの（人工歯）の装着

インプラント本体が顎の骨に結合するのを待って、最終的な被せものを作製、装着します。被せものの形状を想定した手術が行なわれているため、審美的にも機能的にも、きっとご満足いただける仕上がりになるでしょう。

適切な被せものは長く使用できるため、結果的に時間と費用の節約にもつながります。

豊富な実績と最先端技術を活かしたアイデンタルクリニックの「設計治療®」

2019年に国内で販売されたインプラント数50.6万本を、全国の歯科医院の数6万8,477で割ると、1医院あたり7.4本を購入されていることになります。50.6万本のうちの9割が実際に使用されたと仮定した場合、1医院あたり年間6.6本の実績となる計算です。

アイデンタルクリニックでは、2006年5月～2021年7月までの約15年間で、3万4,443本のインプラント埋入手術を実施しています。平均的な歯科医院がこの実績を積むには、5,218年かかることになります。アイデンタルクリニックの実績が、いかに豊富かがおわかりいただけるでしょう。

さらに、アイデンタルクリニックでは、安全性と正確性の高い「設計治療®」を行なっています。

インプラント治療をお考えなら、実績豊富で「設計治療®」を採用するアイデンタルクリニックにお任せください。

まとめ

「設計治療®」は、インプラント手術のリスクを極力回避できる治療方法です。術前に顎骨や口腔内の詳細なデータを取り、綿密な治療計画を立てることで、理想的な位置にインプラントを埋入できます。

また、一般的なインプラント手術に比べて短い時間で済む、歯肉を切開しないことで患者様の負担が軽減するなど、数多くのメリットも。

豊富なインプラント埋入実績を誇るアイデンタルクリニックでは、「設計治療®」を導入したインプラント治療が可能です。

インプラント治療に抵抗があり、なかなか踏み出せないという方も、ぜひご相談ください。